中古車輸出の年式規制について解説

中古車を海外へ輸出する際には、各国の輸入規制を遵守する必要があります。その規制には、排ガス基準安全基準関税制度など様々な要素が含まれますが、特に重要な要素の一つが「年式規制」です。

多くの国では一定以上の年式が経過した中古車の輸入を制限しており、規制内容は国によって異なります。

そこで、中古車輸出の年式規制について以下のような悩みをお持ちではないでしょうか?

  • 年式規制って結局どういうこと?
  • 国によって規制が違うって本当?
  • 所有している車が輸出できるか、どうやって確認すればいいの?

本コラムでは、中古車輸出における年式規制について詳しく解説し、各国の規制の傾向や注意点についても説明します。

それでは早速行きましょう!
 

年式規制とは

年式規制とは、輸入国が一定の年数を超えた中古車の輸入を制限または禁止する制度のことを指します。

各国の規制内容によって、「初度登録年月」「製造年」「登録年月」などが基準として使用されることがあります。

以下では、それぞれの基準について詳しく解説いたします。

初度登録年月

初度登録年月」とは、その車両が最初に登録された年月のことを指します。日本の車検証にも記載されており、この情報を基準に輸入規制が適用される国もあります。

例えば、オーストラリアでは中古車の輸入に厳しい制限があり、基本的に製造から25年以上経過したクラシックカーや特定の性能を持つ車両のみが許可されています。また、新しい車両でも排出ガス基準や安全基準を満たしている必要があり、これらの基準を満たさない車両は輸入が困難です。

製造年

製造年」とは、その車両が工場で製造された年を指します。初度登録よりもさらに前の段階の情報となるため、車両によっては初度登録年月とは異なる場合があります

例えば、バングラデシュでは、製造年が5年以内の中古車しか輸入できないという規制があります。つまり、登録が遅れた車両でも製造年が古ければ輸入はできません。

登録年月

登録年月」とは、輸出国での最終的な登録が行われた年月を指します。これは、初度登録とは異なり、車両が中古市場で再登録された場合などに影響を受ける可能性があります。

登録年月を基準にする国は少ないですが、特定の輸出条件によっては影響を受けることがあるため注意が必要です。

年式規制の起算

年式規制が適用される際に、基準となるタイミングとして「出港日起算」と「到着日起算」があります。それぞれの違いを理解して、リスクを考慮した輸出計画を立てることが重要です。

出港日起算

出港日起算とは、船積み(日本出港)した日を基準に年式規制が適用される方法です。日本からの輸出時点で年式規制を満たしていれば問題なく輸出できます。

この方式のメリットは、船の遅延や通関手続きの影響を受けにくいため、輸出業者にとって比較的コントロールしやすい点です。一方で、輸入国の法改正などによって規制が変わるリスクには注意が必要です。

到着日起算

到着日起算とは、輸入国の港に車両が到着した日を基準に年式規制が適用される方式です。船の遅延などで年越ししてしまうと、規制の適用が変わる可能性があります。

この方式のリスクは、出港時点では適合していた車両が、到着時には年式規制を超えてしまう可能性がある点です。特に、輸送期間が長い国(アフリカ、中南米など)では影響を受けやすいため、慎重なスケジュール管理が求められます。

年式規制の各国の傾向

中古車輸出における年式規制は、輸入国ごとに異なる基準が設けられています。以下に、ニュージーランド、オーストラリア、イギリス、アメリカ、アフリカ諸国の年式規制の傾向をまとめました。

ニュージーランド(NZ)

ニュージーランドでは、輸入車両に対して年式そのものの制限は設けられていません。しかし、輸入される車両は、ニュージーランド運輸省(NZTA)が定める前面衝突安全性基準や排出ガス基準を満たす必要があります。

これらの基準を満たすため、実質的に古い車両の輸入は困難となっています。また、輸入車両はバイオセキュリティ検査も義務付けられており、車両の内外装に汚染物質がないことを確認する必要があります。

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オーストラリア(AUS)

オーストラリアでは、商業目的での中古車輸入は厳しく制限されおり、個人が自家用車として輸入する場合は、特定の条件を満たせば可能です。

例えば、車両が製造から25年以上経過しているクラシックカーや、特定の性能や希少性を持つ車両などが該当します。

また、輸入車両はバイオセキュリティ検査を受ける必要があり、汚染が確認された場合は洗浄や消毒、場合によっては再輸出や廃棄が求められます。

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イギリス(U.K. GB)

イギリスでは、中古車の輸入に関して年式に関する明確な制限は設けられていません。しかし、輸入車両はイギリスの道路交通法規や環境基準を満たす必要があります。

特に、排出ガス基準や安全基準に適合していることが求められます。右ハンドル車が主流であるため、日本からの右ハンドル車の輸入が一般的です。

アメリカ(U.S.A.)

アメリカには「25年ルール」と呼ばれる規定があり、製造から25年以上経過した車両であれば、連邦の安全基準や排出ガス基準を満たしていなくても輸入が認められます。

このため、特に1990年代の日本製スポーツカーなどがコレクターの間で人気を集めています。ただし、各州によって独自の規制や手続きが存在するため、輸入前に確認が必要です。

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アフリカ諸国

アフリカの各国では、中古車の輸入に関して年式や車齢に関する規制が設けられている場合が多いです。

例えば、ケニアでは初回登録年月日より8年未満であること、製造年月日から初回登録年月日までの期間が1年未満であること、さらには右ハンドル車であることなどがあります。

また、南アフリカ共和国では商業目的の中古車輸入が実質的に禁止されていたり、各国の規制は頻繁に変更される可能性があるため、最新情報の確認が大変重要です。

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中古車輸出を検討する際は、各国の最新の輸入規制を十分に確認し、適切な手続きを行うことが重要です。

年式規制の注意点

年式規制には様々な注意点があります。ここでは代表的なリスクについて解説いたします。

年式規制を外れた車を輸出したケース

年式規制を超えた車両を誤って輸出してしまった場合、輸入国で通関できず、日本へ返送されることになります。その際、往復の輸送費や手続き費用が発生するため、大きな損失につながります

さらに、日本に再輸入する場合、新規登録が必要となり、国内での再販が困難になることもあります。そのため、輸出前に対象車両の年式を正確に確認し、規制を満たしているかどうかを慎重にチェックすることが不可欠です。

経過年数によって関税が変わるケース

一部の国では、車両の経過年数に応じて関税率が変動する場合があります。

例えば、タンザニアでは製造年の兼ね合いで車両に対し追加関税があるケースがございます。

また、ウガンダでは製造年数に基づいて環境税が変動することがあり、さらに輸入規制により輸入不可などがございます。

そのため、輸出するタイミングを見極めることが重要です。規制年限に近づく車両は、早めに輸出することで関税負担を抑えられるため、計画的な在庫管理が求められます。

※こちらに関しては、各国の法律やルールなどで著しく変化いたします。経過年数によって関税が変わるケースが気になる方、もしくは詳しい話をお聞きしたい方はAUTOHUBまでお問い合わせください

まとめ

中古車輸出において、年式規制は重要なポイントの一つです。各国ごとに異なる規制が設けられており、その基準を正しく理解し対応することが求められます。

規制を超えた車両の輸出はリスクが大きいため、輸出前の慎重な確認が不可欠です。また、関税やその他の輸入条件も考慮し、最適な輸出タイミングを見極めることで、ビジネスの成功につなげることができます。

このような各国の規制を鑑みて対応するのは、ビジネスにおいて重要であり必須と言えるでしょう。

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中古車輸出の魅力は、資源の有効利用と経済的なメリットにあります。中古車両を再利用することで、環境への負担を減らしつつ、経済的な利益を得ることができます。また、新興市場では日本の中古車が重要な移動手段として社会に貢献していると言えます。

例えば、アフリカの多くの国々では、トヨタやホンダの中古車がタクシーや公共交通機関として広く利用されており、地域社会の経済活動を支えています。

AUTOHUBのような専門的なサポートを利用することで、中古車輸出は実現可能なビジネスになりえます。実際、巨大な船会社や通関業者と直接取引を行うことは、一握りの大手や老舗中古車輸出業者以外では困難です。

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